eゲーミングの台頭

世界的なゲーム市場は2020年時点で1737億米ドルと評価されており、2026年には3144億米ドルになると予想されています。国家レベルでのロックダウンによって人々の外出が制限され、空き時間にゲームをする人が増えています。インターネットのトラフィックという点では、そうしたサイトの新規訪問者は数十万人単位で増えています。

最近では、ビデオゲームのユーザー数と収益が大幅に増加しています。マイクロソフト、任天堂、Twitch、Activisionといった企業はこれまでのプレイヤーインベストメントの水準を超えてきています。2020年4月にマイクロソフトが発表した、Netflix形式の購読プログラムであるXbox Game Passは、登録者数1,000万人を超えています。また、マイクロソフトは3月と4月のマルチプレイヤーインタラクションが130%増加したと発表しています。

市場はクラウドゲーミングによって勢いづいています。近年のクラウド技術の洗練によって、クラウドゲーミングは現実のものとなりました。クラウドゲーミングにおいては、ゲーム画面のレンダリングやロジックのプロセス、ビデオエンコード、ビデオストリーミングなどが全てサーバー側で処理され、ゲーム自体もサーバー側に保存される形になっています。

商用のクラウドゲーミングサービスは、Onlive、G-Cluster、StreamMyGame、Gaikai、T5-Labsなどで既に利用できます。この新たな業界は、既存のゲームビジネスの大きなライバルと目されています。

これにより、セガ、Ubisoft、エピック・ゲームズ、アタリ、ワーナー・ブラザーズ、ディズニー・インタラクティブ・スタジオなどがOnliveとの配給契約を結ぶに至っています。2020年5月にはNvidia GeForce Nowがクラウドゲーミングライブラリーに新たに19作品を追加することを発表し、さらに新規18作品をGeForce NOWに追加する予定であることを発表しました。

業界はEスポーツなどのゲーミングプラットフォームの活用によって勢いを増しています。現在市場におけるEスポーツへの関心が大きく高まっており、世界規模でゲームビジネスを後押ししています。Riot Gamesの「League of Legends」と「DotA 2」の2タイトルは、Eスポーツ業界において特に強い影響力を持つ存在です。Eスポーツ誕生の地と言われることが多いのが韓国です。Eスポーツの収益では米国が韓国を上回っていますが、世界最大の大会の1つは今でも韓国で開催されています。

起業家からの業界に対する動きも活発になっており、市場を後押ししています。たとえばカナダのPhoenix Rising Studioによる「The Forge Arena」は、Eスポーツへの参入を狙っています。本作は「Fortnite」や「Counter-Strike」と同じく無料でダウンロードおよびプレイが可能で、収集や交換が可能なスキンなどのゲーム内アイテムで収益を生むスタイルを採用しています。

本レポートの定義説明

本レポートでは、ゲーミングを「コンピューター、携帯電話、コンソール機、その他メディアで電子ゲームをプレイすること」と定義しています。特に新興国において高速のインターネット接続がより一般的になりつつある中で、近年ではオンラインゲームをプレイする人が増えています。

一人あたり収入、関心、共働き世帯の増加と共にゲーム業界は拡大を続けており、それらの要素が世界規模での市場の変化を起こしています。 

Liked Liked